研究の課題関心
人的資本経営の企業戦略研究
人的資本経営を実現するための企業戦略として働く人のポテンシャルの開花とそれによる組織競争力の向上という点に着眼した研究を進めています。それを支える学術研究基盤は経営学の人的資源管理論と組織行動論です。個人心理も見据えながら企業マネジメントに重きを置いて企業経営戦略としての研究を構成しています。近年は以下二領域に主に取り組んでいます。
Selection Research
就職選抜論
就職試験で求職者のポテンシャルを企業が十分に理解し,組織・個人適合を実現して組織力を向上するための「選抜研究」を進めています。
- 適性検査による選抜研究(性格検査/能力検査/コンピテンシー検査)
- 面接による選抜研究(構造化面接/グループディスカッション)
- エントリーシートによる選抜研究
- 組織・個人適合と望まない早期退職防止のための選抜研究
Workplace Personality Research
ワークプレイス・パーソナリティ論
経営層や上司が個々のメンバーのポテンシャルを理解して活躍を促進するための「パーソナリティ研究」を経営学的アプローチによって進めています。
- ビッグファイブの経営学的研究
- ダーク・トライアドの経営学的研究
- HSPや自意識などの心理的特性についての経営学的研究
- 営業学研究
学術研究基盤➀ 就職選抜論
職業に就く上での選抜場面の妥当性を追究しています。近年は国際研究にも着手しています。関連テーマ・書籍は学会賞受賞および厚生労働省後援HRアワード2022著書部門入賞。
採用適性検査
知能・性格検査研究:Intelligence & Personality Test Research
知能(能力)検査と性格検査を通して将来の活躍可能性などを高い精度で予測する検査技術の開発を行っています。ビネーなどの知能検査の歴史,オールポートなどの性格検査の歴史などを踏まえながら最先端の人工知能技術も用いています。
エントリーシート
ESの文章評価研究:Sentence Evaluation Research
エントリーシートによる文章解析法を独自に開発して,文章に内在する情報量を最大限に抽出した上でそれを入職後の業績予測に適用する研究を行っています。着眼する研究概念・手法は,文法カテゴリ,内容分析,共起分析,判別分析などです。
採用選考面接
採用選考面接研究:Recruitment Interview Research
面接の信頼性と妥当性の実証研究を積み重ねています。面接によってどこまで就職活動生の特性を把握することができるのか,そして将来の業績を予測することができるのか,が研究の問いです。着眼する研究概念は,評価者間信頼性(Inter-Rater Reliability)研究,Multi-Trait Multi-Rater Matrix研究,妥当性のメタ分析です。
若年労働者の早期退職
組織と学生の適合研究:Organization-Student Fit Research
ビッグデータと人工知能技術などによって,企業と学生の「ベスト・フィット」を実現するための採用モデルを開発する研究を進めています。組織・個人ともに望まない早期退職の問題の解決を目指しています。
学術研究基盤② ワークプレイス・パーソナリティ論
職場(Workplace)で働く人を理解するための『パーソナリティモデル』を開発しています。関連テーマは2022年度からの科学研究費に採択。関連著書は厚生労働省後援HRアワード2023著書部門入賞。
ダーク・トライアド
経営場面に特化したダーク・トライアド研究:Dark Triad Research for Management
職場での問題を引き起こす負のパーソナリティについての研究も進めています。人間の根源的な負のエネルギーにも目を向けることで職場における深い層での人間理解がなされるような研究の蓄積を目指しています。同時に,それが向社会的行動につながるための条件特定の研究も行っています。
営業学
圧倒的な営業成果を創出する傑物人材: Top 0.1% Super Sales Research
チームを牽引するのは,本当に一部の,これまでには考えられないほどの高いパフォーマンスを示す傑物的な人であることが経営組織,スポーツなどの領域で見られ始めています。パーソナリティ(性格)をはじめとして,知性,言動,心構えなどの諸側面において何が違いを生み出しているのでしょうか。目標の10倍以上の営業成績を10年連続で毎期達成するような,極めて限られた「トップ0.1%の傑物的な営業社員(=傑物人材)」に焦点を当て,何がその通常では考えられないほどのパフォーマンスの要因になっているのか,を経営学方法論により明らかにします。
HSP
経営場面に特化したHSP研究:HSP Research for Management
HSP(Highly Sensitive Person)研究をベースとして,職場での「敏感な人」ならではの良さに関する研究を進めています。敏感でストレス耐性の低い人が必ずしも職場で活躍できないわけではないことを明らかにするための理論・実証研究を積み重ねています。
ビッグファイブ
経営場面に特化したビッグファイブ研究:Big Five Research for Management
1936年以来,国内外で研究されているビッグファイブについて産業組織で働く労働者ならではの因子構造の探索的研究を行っています。ビッグファイブとはExtraversion/Agreeableness/Conscientiousness/Emotional Stability/Opennessの5因子を指します。この5因子構造を基にしながら職場ならではの因子構造を探索することで働く人の相互理解を目指しています。